Intelligence Report / Survey Analysis
POLITICO × Public First
2026年2月 共同世論調査
GLOBAL SECURITY · ALLIANCE TRUST · TECHNOLOGY SOVEREIGNTY · ECONOMIC ANXIETY
国際安全保障 同盟信頼度 対米感情 国防予算 AI・技術覇権
01 国際安全保障と地政学的リスク
⚠ 過去最高値を更新: 米国・英国・フランスにおける世界大戦の懸念度は、2025年3月の調査開始以来の最高値を記録。 危機感は継続的に上昇傾向にある。
今後5年以内に世界大戦が起こる(可能性「高い」)
🇺🇸 米国
46%
🇬🇧 英国
43%
🇫🇷 フランス
43%
🇨🇦 カナダ
39%
🇩🇪 ドイツ
23%
今後5年以内に核兵器が使用される(可能性「高い」)
🇺🇸 米国
34%
🇬🇧 英国
33%
🇫🇷 フランス
31%
🇨🇦 カナダ
31%
🇨🇦 カナダ:平和への最大の脅威
  • 1 トランプ大統領の政策 48%
  • 2 ロシア 29%
🇪🇺 欧州3カ国:平和への最大の脅威
  • 1 ロシア — 不動の首位
  • 2 米国 ▲ 中国を抜いて浮上
02 同盟関係と対米信頼度
🔄 同盟関係の地殻変動: 最も親米的であったカナダにおいて、米国の同盟国としての位置づけが根本的に揺らいでいる。 「依然として同盟国」ではなく「もはや同盟国ではない」という認識が急速に拡大。
🇨🇦 カナダから見た米国の現状(劇的変化)
58%
米国を
「信頼できない同盟国」
42%
「もはや同盟国
ですらない」
67%
米国は世界で
「問題を引き起こす存在」
55%
米国は
「価値観を共有していない」
🇺🇸 米国内の認識とのギャップ
米国人の 59% が「カナダとの関係をより緊密にすべき」と考えている。
カナダ側の拒絶反応とは 17ポイント以上 の開きがあり、相互認識に深刻な乖離が生じている。
🇬🇧 英国の米国信頼度
信頼できない
39%
信頼できる
35%
不信が信頼を上回る逆転現象が発生
03 国防予算と国内優先事項
防衛費増額のための財源:国民が受け入れるか
財源の手段 評価 主な反応
増税(個人負担増) 抵抗大 生活費への直接影響を懸念
公共サービス(医療・教育)削減 最大抵抗 国内優先度で医療・生活費が上位
公的債務(国の借金)増加 条件付容認 将来世代への負担として割り切り
EU連合軍(EU Standing Army)創設 過半数支持 米国依存からの脱却手段として
徴兵制(義務的奉仕)導入 賛否拮抗 世代・国によって差異
04 経済政策と貿易
関税政策の受け止め方
関税(貿易障壁)が日用品の価格を押し上げていると実感する割合が高い。 恩恵は富裕層・大企業に偏り、中産階級には届いていないとの認識が多数派。
エネルギーコスト削減への期待(🇺🇸 米国内)
民主党
37%
共和党
25%
「エネルギー料金を下げられる政党」として民主党への期待が共和党を上回る
05 先進技術とデジタル主権
🔬 技術覇権の認識転換: 欧州・カナダ回答者の50%以上が「AI技術は現在・あるいは将来的に中国が米国をリードする」と認識。 米国の急激な政策変更・貿易制限がリスク要因として台頭。
AI主導権(欧州・カナダ)
50%+
「将来的に中国が
米国を上回る」と予測
若年層(18〜24歳)の技術信頼度
「中国のインフラの方が予測可能で安定」と回答する割合が他世代より顕著に高い。
米国の政策変動リスクへの警戒感が背景。
デジタル主権(欧州)
過半数
「米国ビッグテックへの
依存を減らす政策」を支持
AIと原子力(🇺🇸 米国内)
AIデータセンター用電力確保のため、電気代上昇を伴う小型モジュール炉(SMR)の建設を 国家安全保障上の理由で支持する割合が高い。 エネルギー安保とAI覇権の議論が連動している点が注目される。
06 指導者信頼度とエネルギー貧困
世界指導者への信頼度(25カ国対象)
習近平
25%
トランプ
24%
主要同盟国内ですら、習近平氏の信頼度がトランプ氏に並ぶ・上回る事態が発生。 西側同盟の価値観的基盤が問われている。
🇪🇺 エネルギー貧困(欧州低所得層)
67%
低所得層の3分の2が
「夏季の猛暑に自宅を冷房する経済的余裕がない」
と回答
世界大戦リスク認識 ― 各国比較
調査が示す2026年の西側諸国の実像

2026年2月時点の西側諸国は、「世界大戦への恐怖を抱きながら、かつての最大の同盟国・米国を最大の不安定要因として警戒する」 という前例のない状況に置かれている。

防衛費増額への原則的な支持はあるものの、そのコストを誰が、どのような形で負担するかについては深刻な亀裂が走る。 EU軍創設や米ビッグテック依存脱却といった「自律化」の動きへの支持が高まる一方、 AI覇権における中国の台頭を多くの市民が既成事実として受け入れ始めている。

指導者信頼度において習近平がトランプに並ぶという事実は、 「西側の価値観」という概念そのものが問い直されていることを示す象徴的なデータである。