2025年7月22日 5:51(更新 7:01) | ワシントン発
石破政権下で揺れる日本が、8度目となる日米関税交渉に臨んでいます。赤沢亮正経済財政・再生相がワシントン入りするなか、トランプ政権は「急がない」姿勢を明確にし、合意に向けた駆け引きが続いています。
米側の姿勢:あくまで「米国民本位」
「各国との交渉は順調に進んでいる。合意したいがために急ぐつもりはない」
「我々の優先事項は日本政府の内部事情ではなく、米国民にとってベストな合意を得ることだ」
米CNBCのインタビューで、ベッセント財務長官は上記のように述べ、日本との協議を焦らない方針を改めて表明。新税率の発動が予定されている8月1日を交渉の目安に据えつつも、「質の高い合意」を最優先事項としています。
石破政権の交渉力は?
政権基盤が揺らぐ石破首相に対し、米側がどのような評価を下すかが今後の鍵です。CFRのグッドマン氏は「トランプ氏は海外指導者の強さを重視しており、石破氏が弱体化したと見なされれば、より強硬な姿勢に出る可能性がある」と指摘。
ユーラシア・グループのボーリング氏も「8月1日までに合意できれば良いが、石破氏の交代があっても米国にとって大きな問題にはならない」と見ています。
焦る日本側と交渉の構図
石破首相は続投の理由の一つに日米交渉を挙げており、赤沢氏も「国益をかけた交渉に選挙の勝敗は関係ない」としていますが、政権の存続意義をかけた局面といえます。
今回の訪米は米国からの打診でしたが、交渉相手との面会スケジュールは出発時点で確定しておらず、赤沢氏は到着後も3閣僚との対面協議を待つ状態が続いています。
交渉の焦点:農産品と自動車
石破首相は「関税より投資」を掲げ、日本から米国への巨額投資の見返りとして相互関税の引き下げを求めています。
一方のトランプ政権は市場開放と貿易赤字削減を重視しており、両者の間には戦略的なズレも見られます。
過去に合意を発表したベトナムやインドネシアは、米国産農産品の大幅受け入れや関税引き下げに応じており、日本が同様の譲歩を示せるかが焦点です。
自動車関税:撤廃から「引き下げ」へ?
日本側が「自動車関税の完全撤廃」から「税率の引き下げ」に要求を切り替えることが合意への糸口になる可能性も指摘されています。
他国との交渉も影響要因に
インド政府は一時的に交渉団を引き上げるも、8月中旬に再開予定とされており、他国との交渉進展状況も日本との駆け引きに影響する見通しです。
グッドマン氏は「8月1日までに成果が乏しい場合、トランプ氏は突然日本の提案を『勝利』として受け入れる可能性もある」としています。